聖書箇所:マルコ2:1−12、Iコリント9:24−27

マルコの福音書2章、この箇所はイエス様が中風の人に出会いそのかたを癒されたという箇所です。中風とは脳出血などによって起こる、半身不随、手足のまひなどの病気でした。この人は中風によって全く動けない、寝たきりの状態でした。彼は四人の友達によってイエス様のところにやってきました。家がいっぱいでなかなかイエス様の元に近づけなかった4人の友だちは、天井を崩して屋根からその人を吊るしてイエス様の元へと連れて行きました。まさに「その手があったか!?」と思うようなやり方でした。

 しかし、実はイエス様もこのとき少し不思議に思える行動をされたのです。それは、中風の人の罪を赦されたという点です。きっとこの中風の人は、体を治してほしかったと思います。しかし、イエス様はここで「あなたの罪は赦される」と語ったのでした。イエス様はここでなぜ罪の赦しを宣言されたのでしょう。それは、私たちの本当の問題がなんなのかをはっきりするためでした。

私たちが抱える1番の問題は罪です。そして病気やけがなども罪の結果であると聖書は語っています。もし、このとき中風の人をすぐに癒していたらどうだったでしょうか。きっとこの人は中風が治ったということだけに心を向け、自分の罪やそれを救ってくださったイエス様に目を向けることができなかったのではないかと思うのです。

 私たちはまず罪を赦していただければならないのです。そして、イエス様はまさにその罪を赦すためにこの地に来られたのでした。その救いが十字架です。イエス様は私たちのすべての罪をその身に背負い、十字架にかかられました。この十字架の死があるからこそ、わたしたちは「あなたの罪は赦された」と宣言されるのです。

マルコによる福音書
2:1数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、
2:2大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、
2:3四人の男が中風の人を運んで来た。
2:4しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。
2:5イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。
2:6ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。
2:7「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」
2:8イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。
2:9中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。
2:10人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。
2:11「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」
2:12その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。